【コラム】採用の専門家へのインタビュー・内田多美子さん(「失敗しない」総合人事コンサルタント)
2026.7.17
●出版によるビジネスへの効果
2024年に
『失敗しない採用面接の極意 基礎編 本質を見極める心理学11の法則』
(BLA出版)という電子書籍を
Kindleで出版しましたが、
それをきっかけにいくつかの企業様から
コンサル契約をいただきました。
それ以外にも、
書籍を出したことがきっかけで
セミナーや講演への登壇依頼が増えたりと、
出版の大きな効果を感じています。
登壇する場は、
経営者団体やコミュニティ、
経営塾などが中心です。
たとえば、
わたしがマーケティングを学んでいる
コミュニティからお声がけいただいたり、
ある経営塾の講師の方から
「うちのメンバーにも話してほしい」
とご依頼をいただいたりしました。
最近では、愛知県内のある市の
商工会議所と信用金庫が共催するセミナーへの
登壇機会もありました。
信金さんとは数年前に
一度お会いしたきりだったのですが、
「書籍を出されたんですね」
とご連絡をいただいたことがきっかけで
実現したお仕事です。
わたしの出版を、
ホームページ経由で知ってもらえたのでしょう。
出版の効果は、
直接的な契約だけではなく、
登壇などの露出の機会が増えるなど、
ブランディングや信用の強化にも
つながったことです。
とくにBtoBの領域では、
「書籍を出している人」という信頼は
非常に大きな意味を持ちます。
採用コンサルのように
形の見えにくい無形サービスでは、
「どんな支援をしてくれるのか」
を伝えることは難しいものですが、
書籍という形で内容が言語化されたことで、
「こんなに幅広く、深くサポートしてもらえるのか」
という理解が広がりました。
出版は、信頼を可視化する手段としてとても
効果的だと感じています。
●「採用担当」「育成担当」「評価制度担当」すべてを横断したコンサルを実施
わたしのコンサルは、採用から育成、
そして定着までを一貫して支援する
「戦略人事支援」です。
最初に行うのは、
課題のヒアリングと
「どんな人を採用したいのか」
という人材要件の明確化です。
採用の成功は、
求める人物像をリアルに具体的に
言語化できるかどうかにかかっています。
そのうえで、
会社の理念や強み、事業内容を整理し、
「なぜこの会社で働くのか」
が伝わるように設計します。
そこから、採用手法や広報チャネルの選定、
ホームページ・SNSでの発信内容づくり、
応募から面接・内定・研修までの
プロセス設計を行います。
面接担当者へのトレーニングも含め、
実践的な支援を行っています。
そして入社後は、
初期研修の設計や定着支援までを行い、
採用と育成を両輪で回す仕組みを構築します。
多くの企業は
「採用担当」「育成・評価担当」
が分かれていますが、
わたしはすべてを横断して支援しています。
なぜなら、
採用・育成・評価が連動しなければ
組織は機能しないからです。
この「全体設計ができる」というのが、
わたしの大きな強みです。
契約期間は基本的に半年から始まりますが、
多くの企業様は延長されます。
採用が整ってきて、
初期研修を回し始めた頃に
ようやく次の課題が見えてくるからです。
なかには、
わたしが創業した当初から
9年間継続してサポートしている企業様もいます。
長く伴走することで、
企業の文化や人づくりを深く理解し、
より確かな成果につなげることが
できていると感じています。
●企業が採用・育成のどこでつまずいている?
わたしがコンサルをしていて感じるのは、
9割以上の企業が
「いい人がほしい」
という漠然とした状態からスタートしていて、
「どんな人を採用したいのか」
が明確になっていないことが
ほとんどだということです。
まず必要なのは、
その「いい人」を具体化することです。
たとえば、自社で活躍している社員を
思い浮かべてみてください。
「この人がもうひとりいたらいいな」
と思う社員の特徴を言語化することが、
採用要件を具体的にするための第一歩です。
もうひとつのつまずきポイントは、
「自社の強みを把握できていない」ことです。
多くの企業は
「うちには強みなんてない」
とおっしゃいますが、
自分たちでは当たり前に思っていることが、
外から見ると立派な強みであることが多いのです。
その一方で、
自分たちが「強み」と思っていることが、
じつは他社も取り組んでいる
「普通のこと」である場合もあります。
ですから、社外の人や取引先に
「なぜうちを選んでくれたのか?」
とヒアリングしてみることが大切です。
これは、自社の本当の魅力を知る
きっかけになります。
さらに、採用の基盤となるのが
「ビジョン・ミッション・バリュー」です。
これが言語化されていない企業は、
求職者にとっても
「どんな会社か」が見えません。
仮に存在していても、
現状に合っていない場合は
見直す必要があります。
採用計画は、
事業計画から落とし込むものです。
つまり、事業の方向性とビジョンが明確でなければ、
人の採用もうまくいきません。
人を惹きつけるのは、
会社の想いと方向性です。
ここを言語化しない限り、
採用も育成も本質的には機能しないのです。
●経営者へのメッセージ
多くの経営者の方が、
「うちの会社では採用なんて無理だ」
と諦めてしまっています。
でも、正しいプロセスを踏めば
かならず結果は出ます。
採用でうまくいっている企業は、
偶然ではなく、
再現性のある仕組みを持っているもので、
それを自社に合わせて
取り入れていくことが最短の道です。
我流で試行錯誤するよりも、
成果の出ている事例を参考にし、
自社に合わせてモデリングすること。
これがもっとも効果的です。
採用は「センス」ではなく「設計」です。
正しい設計をすれば、
かならず成果を出せます。
諦めずに、一歩ずつ仕組みを整えていってくださいね。
